お嬢様と執事さん


沢山の絵が飾られた廊下を進み


案内された部屋はドアが大きくて2メートル程ありそう……


部屋に入ると一人の男の人がソファーに座っていた


「待っていたよ、美姫、遥ちゃん
桐秋、二人に紅茶を」


「かしこまりました」


しばらくすると桐秋と呼ばれた執事さんが紅茶を運んでくれた


「ありがとうございます」


いい香り……


そんなことを思いながら紅茶を啜っていた


「遥ちゃんの部屋もすぐ案内するからね」


「ありがとうございます」


ニコッと微笑んでくれたお義兄さん


姉さんが耳打ちしてきた


「彰君のああいうとこに惚れたの♪」

成る程ね……


「遥ちゃんは可愛いね」


「えっ?」


「でしょう?でも本人は自覚がないの」


ふうっとため息をつく姉さん


「でもこれなら新しい学校に行ってもやっていけるよ」


「それがね?遥は広く浅くの関係を保つ子なの
今まで親友と呼べる子も家にお友達を招待したこともないのよ」


あう……


耳が痛くなるような話しをしていると義兄さんが


「さて、そろそろ遥ちゃんの部屋へ案内しようかな」

「はい」


廊下に出ると玄関もどちらだかわからない


当分一人で出歩けないな……


そんなことを思いながら歩いてると部屋についた


「ここが遥ちゃんの部屋だよ」


桐秋さんがドアを開けてくれた


「うわぁ……」


思わず溜め息が零れる程その部屋は可愛らしく
そして私好みに飾られていた


「気に入った?」


お義兄さんが不安そうに聞いてくる






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