お嬢様と執事さん
中庭はテラスから見るよりも凄く綺麗な所だった
季節それぞれの花が咲き乱れ、芝生の上には石畳が敷いてある
「綺麗な庭…」
「そうですね。旦那様もお気に召している庭だそうです」
「へぇ…」
そういえば子猫はどこだろうと辺りをキョロキョロと見渡す
「お嬢様、子猫ならあちらに……」
連さんが示す方を見るとそこにはテラスで見た子猫がいた
「怪我してるみたい……」
「私が手当て致しましょう」
子猫を連さんに渡す
ふと、胸に不安がよぎった
「この子、飼ってもいいかな?」
「それは私にはわかりません。旦那様に聞いてみましょう」
「うん…」
「ご心配ならさなくとも私もご一緒に旦那様にお頼みしますよ」
その言葉に心から安心した
「まずは怪我の様子を見ませんと……
お嬢様、中へ戻りましょう」
連さんに促され部屋に戻った