お嬢様と執事さん


「何故にお嬢様は私に敬う言葉をお使いになられるのですか?」


「だって桐生さん、私より年上でしょう?」


「しかし、私はお嬢様に仕える身……お嬢様が私に敬う言葉をお使いになられるのはどうかと思います。
どうかお辞め頂けませんか?」


「いいのかな?」


「当然のことに御座います
私のこともそのようにお呼びください」


「じゃあ桐生さんの下の名前を教えて?」


「は……連と申します」


「なら連さんって呼ぶね♪」


「連さん……ですか?」


「うん♪だって私、堅苦しいの嫌いだもん」


「左様ですか。かしこまりました」


「あと、私って学校どうするのかな?」


「そのことにつきましては旦那様から伺っております」


「なんて?」


「学校は英欄学園にご転校することとなっております」


「英欄学園!?あのお嬢様学校の??」


「はい。明日、下見を兼ねて学園の方にご挨拶に行く予定となっております」


「明日ってまた急な……」


「そちらのクローゼットに英欄学園の制服がご用意してあります
袖を通してみますか?」


「そうしよっかな」


クローゼットから取り出そうとすると


「私が致します、お嬢様」


「え?でもこれ位自分で出来るよ?」


「私の仕事ですので」






< 4 / 95 >

この作品をシェア

pagetop