お嬢様と執事さん
「遥お嬢様?どうなされました?」
心配そうに声をかけてくれた連さんの言葉でハッとなった。
「あ、ううん。なんでもない…」
一生懸命顔の前で手を振って否定する。
「やはりお疲れですか?宝探しは明日にしていただきましょう」
そう言って踵を返す連さんを慌てて止めた。
「ダメっ!ホントに大丈夫なの。ただ、私の部屋と全然違うからビックリしただけ」
「ああ。そうでしたか」
連さんは安心したようにホッと息をついた。
「ね。連さんは宝探しやらないの?」
「お嬢様についていますよ。他の皆様もそうでしょう。執事がいないとなにかと不便ですから」
わけがわからず、コテンと首を傾げた。
しかしその言葉の意味は、後にすぐわかった。