お嬢様と執事さん
「ありがとう♪」
連さんが淹れてくれた紅茶を飲みながら庭を鑑賞していた
「本日のお菓子はサマープティングです」
「うわぁ…美味しそう~♪」
パクッと口に入れるとその甘さが広がる
「美味しい~♪」
「お褒めの言葉ありがとうございます」
「え?これ連さんが作ったの?」
「はい」
「凄い!今度私にも教えてくれる?」
「勿論です。お嬢様がお望みならば」
「お望みならばって……それじゃあまるで私の言ってことは全部叶えるの?」
「基本的にはそうでごさいます」
「そんなのおかしいよ……」
「おかしい……ですか?」
「うん。だって本人の……連さんのしたくないこともするって意味じゃない」
「お嬢様……」
なんだかそんな風な考えが嫌で……悔しくて涙が滲んできた
「お嬢様は本当にお優しい方ですね…
しかしお嬢様にお菓子作りのご指導させて頂くのは私にとって苦ではごさいません
どうかそのように思わないでください」
「うん……でも連さん、嫌なことは嫌って言ってね?」
「そのようなことはごさいません
ご安心ください」
安心させるように微笑む連さんとは対象に私は悲しくなった