お嬢様と執事さん
「いえ、私は…」
「連さんだって疲れてるでしょう?私が淹れるから、ね?」
そう言って無理やり連さんをソファーに座らせた。
「しかしお嬢様はお茶を淹れたことがないんじゃ……」
その言葉にピタリと動きが止まってしまった。
確かに紅茶なんて淹れたことない。
「連さん、教えて……?」
「はい、お嬢様」
苦笑しながら再び立ち上がった連さんに、申し訳ない気持ちと、ほんの少し、悲しさを感じた。
私ひとりじゃ、なにもできない