お嬢様と執事さん
「執事服脱いだから。」
俺はクックッと苦笑した。
「そうか。ってか酒飲めるんだな。」
「いつもは飲まない。が、今日は飲みたい気分でね。」
拗ねたような口調になってしまった。しかし樹は気づいてないようで、なんで?と聞いてくる。
「遥お嬢様が急に悲しそうな表情してさ。俺なんかやらかしたかなって…。」
ふーん…と適当な返事しか帰ってこなかった。
まあたいしていい返事なんか期待していなかったが。
その日はそのまま寝た。
明日は新入生もくるようだから、念のため、執事の俺たちもなにかあったときのために体力を回復させておく必要がある。
しかし、お嬢様のことを考えるとなかなか寝つけなかった。