僕は君の虜~甘め短編集~
「…じゃあ雪ちゃんいこっか」
そう言って隣りの男の子は雪那ちゃんの手をにぎる
雪那ちゃんに触れるなよ…
手なんか握るなよ
名前を呼ばないでよ
ふつふつとわきあがる気持ち
それは僕の心臓ををキツく握り、走る衝動を止められない
「ダメ、雪那ちゃんはこっち」
悪魔で彼女の前だから、余裕ぶったこの表情は崩さない
だけど内心はドロドロで、張り裂けそうなくらいの痛みを感じ悲鳴をあげている