僕は君の虜~甘め短編集~



図書室に辿り着き、勢いよく扉を開いた


「………要先輩?」



暗い図書室の中、いつもの貸し出しコーナーに突っ伏している要先輩を見つける



「来ないかと思った…。」


震えている声で、顔をあげないまま要先輩は言う


「ゴメンなさい…。」


私は要先輩に謝る


「なんで待っててくれたんですか…?」


そして、待っていてくれたことに嬉しくて涙が出て来る


「そうだね…、こんなに待たせるのは僕にとって拷問だよ。」


「答えになっていません…。」


話を逸らそうとする、要先輩に私は言う




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