桜が咲いたら
2時間ぐらいしてお母さんが入ってきた。

「決まった?」

「…移植すれば…心臓移植すれば…生きれるんだよね?」

声は震えていた。

死ぬかもしれない恐怖感に

脅えていた。

「生きることができるんだよね!」

あたしは、お母さんに向かってそう言った。

「…そうよ…生きることができる」

お母さんも…怖かったのかな?

自分の子どもが死ぬ―――――

そんな恐怖におびえていたのだろうか。

「じゃあ…やる」

あたしは、そう決心した。



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