桜が咲いたら
「有香…ドナー見つからないって…」

お母さんがそう言った。

「じゃあ…あたしはどうなるの?」

「死を待つしかないわ…」

お母さんは、所詮他人事。

自分の子供がどうなったって

関係ないんだ。

「死を待つって…簡単に言わないでよ!」

お母さんは、ため息をついた。

「そうね…でも、事実よ」

「お母さんは…自分の子供が死んでもいいの?」

…よくないって言ってよ。

そんなわけないって

叫んでよ。

こんな親だったけど

大好きだった。

何にもしてくれない親だったけど

大好きだった。

あたしの目から

涙があふれた。

「…別に…死んだって変わりないわ」

お母さんは、笑ってそう言った。

悲しかった。

辛かった。

こんな……

ヒドいこと…

言える親、世の中に何人いる?
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