桜が咲いたら
「有香ちゃん!」

目が覚めた。

「えっ…?」

「大丈夫?スッゴい叫んでたけど…」

枕は、涙でぬれていた。

「今の…夢だったんだ」

あたしは、安心した。

夢でよかったと

何度思ったか……

お母さんに

あんなこと言われて

傷つかない子はいない。

嬉しくて

涙が出た。

夢だということに

どんだけ感謝したか…

まだ

自分の死が決定してないことが

どれだけ嬉しかったか…

元気な心臓が欲しい。

命が欲しい。

こんなことを

望むあたしは

欲張りなんですか?
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