桜が咲いたら
自分ができないかもしれないと

はっきり言えたんだ。

「分からない」

この一言で

「分かんないよ。人の命なんて…」

「それでも医者?」

「ああ…医者だよ。向いてないって言われるけどね…」

彼は、苦笑いをしながら言った。

だったら、やめればいいのに…

そう言おうとした…

「でもさ…後悔はしない治療をする。キミに1日でも多く生きてもらう」

そうまっすぐな瞳で言ったんだ。
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