運命 桜散る頃に
****一年後


校門付近では、泣いたり、笑ったりしている人達で賑わっていた


仲間との別れを悲しむ者もいれば、やっと勉強から解放されると喜ぶ者もいた


今日は卒業式だ


もちろん、怜斗と霧恵も例外ではなく、卒業証書を片手に学校に別れを告げていた


「じゃあ怜斗、またねっ! いつかまた遊ぼうねぇ」


「あぁ」


怜斗の返事に目を細めてから、霧恵は校門の外に待っていた高級そうな黒い車に駆け寄った


中には霧恵よりもいくつか年上の、優しそうな男が乗っていた


霧恵の彼氏であるその男は、見た目通り優しく、霧恵を大事にしれくれていた


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