運命 桜散る頃に
でも、それでもやっぱり


最後に浮かぶのはあの人の顔、あの人の声、あの人の名前


笑えてくる


結局最後まで頭に浮かぶのは愛しいあの人


ねぇ……


「満咲っ!!」


扉を勢いよく開く音とともに、声が聞こえた


あぁ、あなたの声だね


幻聴でも、最後に聞けて良かった


満咲は、優しく包まれた手に、閉じていた重い瞼を持ち上げた
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