運命 桜散る頃に
「満咲……」


伝えきれなかった言葉が、涙となって、怜斗の頬を静かに濡らしていく


みさき……満咲…満咲、満咲、満咲


何度その名前を呼んでも返事が返ってくることはない


手が……冷たい


満咲の両親がいることも気にせずに、隠すこともしないまま、怜斗はひたすら泣いた


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