【短】ハピネス
「サヤが、好きだ。」


突然の告白。



思いもよらぬ展開に、今度はアタシがソワソワ落ち着かなくなる。



…都がアタシを好き?



上手く回らない思考回路を持て余して、と言うより考えるのを放棄して、アタシはただ都を見つめ返す。



…きっと、今のは聞き間違い。



そんなはずナイのに、都の熱っぽい視線にあてられたかな。



「サヤが今も元彼を忘れられないのは、知ってる。そういう辛いのも、俺が一緒に受け止めるから。これからは楽しい思い出に変えて行こう?」


尚も真剣な表情で都は言葉を繋ぐ。



アタシは目の前の現実を受け止めきれずにフリーズしかけて、重たくなった頭をかるく振って、目まぐるしく湧いて来る雑念を一旦リセットする。


慎重に言葉を選んで、尋ねる。



「アタシでいいの…?」
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