【短】ハピネス

不安になりながらも顔を上げると、都は温かい笑顔を向けて応える。



「違うよ。サヤ『で』いいじゃなくて、俺はサヤ『が』いいの。良かったら、俺と付き合って下さい。」



「…はい。」



純粋に嬉しかった…でも、手放しに都の告白を受け入れられなかったのには、いくつか理由がある。



都と過ごす時間が長くなるにつれて、少しずつ都に魅かれていく自覚はあったんだ。



失恋の傷が癒えないアタシを、ずっと側にいて励ましてくれてたのが都だったから。



失恋してから精神的に不安定なアタシに、見返りなしで安心をくれる人。


もし都がいなかったら…と思ってしまうくらい、アタシは都の存在に依存していたし。



《依存する気持ち》と《好きって気持ち》は近いもので。



都がこのままずっと隣にいてくれないかなって、思ってた。