【短】ハピネス
そっか、恋愛って双方向になってはじめて本当の幸せが生まれるんだ。



一方通行でうまく向き合えてない恋は、どんなに好きでも、幸せを感じても、どこか独りよがり。


「ミヤ、大好き。」



都はまた微笑んで、アタシの耳元で何事か囁く……ふりをして、いきなり耳を舐める。



「ミヤ!もぉ〜、耳はダメって言ったじゃん。」



くすぐったくて身を捩るアタシの反応を面白がって、さらに都は耳から首筋に舌を這わせる。



「本当に鳥肌立ってるよ〜。でも、大丈夫だよ。感じちゃっても最後まで面倒見るから。」



都はアタシを抱きしめて、ゾクッとするような低い声で囁く。



「って、ここで?路上は嫌かも…。」



「まーねぇ、冬は外じゃ寒いからね…。」



都の下ネタに軽くノッてみたら、あっさり返される。
< 36 / 82 >

この作品をシェア

pagetop