【短】ハピネス
夕日が沈んで、オレンジから白黒のモノトーンに陰りゆく部屋の中。



アタシ達は思うままに愛し合って、甘い余韻に浸りながらいつの間にか眠ってしまった。



都の寝返りで目を覚まして、暗がりに目を凝らす。



どの位、寝ちゃってたんだろう…。



時計を見ると青く浮かぶデジタルの文字は20時ちょうどを示している。



頭がスッキリしていて、何時間も寝た気がするけど、実際は1時間にも満たない。



いかに、最近熟睡出来てないか分かる。



アタシは都を起こさないようにそっと腕をすり抜けると、脱ぎ散らかしたままの服を拾い集めて着る。



音を立てないようにカーテンを閉めて、キッチンに向かう。



買って来た食材で、夕飯は鶏の水炊き鍋。



都にはいっぱいワガママ聞いて貰ってるから、せめて一緒にいる時は料理ぐらいしようってアタシの彼女としてのモットー。
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