【短】ハピネス
その頃、日奈子は言うなれば暴走ぎみなお節介で、アタシに次の彼氏を見つけるのが使命かのように燃えていて。



アタシはその勢いに押されて、言われるまま、バイトやら飲み会やら出会いの場を連れ回されていて。



その日も、日奈子があっという間に都たちと話をまとめてきた。



当然アタシはとりあえず、仕方なく、連れてこられているだけ~な感じの悪い態度で。



人懐こい日奈子に比べて、話し掛けても聞いているのかいないのか、愛想笑いで誤魔化して流そうとするアタシに興味を示す人は、そうそういない。



「そういえば、ミヤだけだったな。アタシを見抜いて元気ないのは何かあった?ってちゃんと聞いてくれたの。」



「そう?感じたままを言っただけだよ。」



「うん。ノリ悪いな、って意味でアタシに元気ないって言う人は結構いるけど。」
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