【短】ハピネス
必死で情報収集したから、アタシは裕紀の趣味とか好き嫌いにやたらと詳しい。



これも悲しいサガ、抜けない習性の一つ。



次の日、学食で会う約束をしてTELを切る。



条件反射で浮かれる心を鎮めて、また自分に言い聞かせる。



アタシのダーリンは、都。



そんなの言い聞かせてる自体、おかしいんだけど、そこは目をつぶるとして。



ちょうどその時、ケータイが鳴る。



ナイスタイミングで、この着メロは都から。



「もしもし、サヤ〜?」



「うん。ミヤ、バイト帰り?お疲れ〜。」



「もう本当疲れた〜!!何かここ数日、やたら人手不足で。めっちゃ忙しかった。ずっとレジ入りっぱなしで、顔が営業スマイルで固まってる気がする。」



「え〜?…それは大変だったねぇ。」



「うん。でも、今サヤの声聴いたら癒された。本当は顔見たかったけど、今日はもう遅いし。明日になれば、会えるしな?」
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