【短】ハピネス
「ユキと別れてから、忘れなきゃって思いながらも、ずっと気持ち消せなくて。ミヤはユキとの事を知ってて、それでも良いって言ってくれて、ボロボロなアタシを支えてくれて。ミヤを好きになって、心機一転で始めたつもりが、結局無意識にミヤに、ユキの代わりを求めてたみたい。…もう、自分じゃどうしたらいいのか、どうしたいのか、分かんないよ。」



アタシの手を握って、黙って話を聞いてた裕紀が言葉を繋ぐ。



「サヤと別れた時、サヤの望みに応えてやれない以上、別れて切り捨てることでしか、サヤは幸せになれないと思った。でも、中途半端に突き放しただけで、余計苦しめただけだった。ごめん。」



「ユキ。やっぱりアタシ達、ちゃんと距離おいてしばらく会わない方がいいのかな?」



「…それじゃ、俺が嫌だ。」



「だからやめてよ、ユキ。そんな思わせぶりなこと言って、また期待したくなる。」



耳を塞ごうとするアタシの手を掴んで、下ろす。


「していいよ、期待。」


テーブルを挟んで向かい側に座っていた裕紀は、回り込んでアタシの真横に座り直す。
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