【短】ハピネス
こんな俺を好きでいてくれるサヤを、彼女としてちゃんと大事に出来なくて、気遣ってあげることもしないで、苦しめて辛くさせてて、だったらまた振り回すのは俺の我儘でしかないから。



都と上手くやってるなら、この気持ちはしまっておくつもりだったんだ。


自分で招いた結果だし。


初めて明かされる、真実。



アタシには絶対見せないようにしてた、別れてからの裕紀の葛藤。



アタシと交替するようにうつむいてしまった裕紀をまっすぐ見つめて、強く、手を握り返す。



「アタシは、今でもユキが好きだよ。…ミヤにはちゃんと話して、別れる。」



「都は分かってくれるよ。TELで、少しでも気持ちがあるならヨリ戻してやってくれって言われたし。サヤは強がってるけど、もう限界みたいだし、これ以上墮ちてくのを見てられないって。応えられないならちゃんとケリつけてくれ、って。…日奈子ちゃんにもはっきりしろって怒られたし。」



「…愛されてるなぁ、アタシ。」
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