ずっと片想い〜先生…あなたに〜
教官室に行く度に何度もあの写真を見た。


椅子に座ったままの先生と話す時、いつも先生の笑顔と一緒に机の上の2人の笑顔も視界に写る。


写真を見る度

『私たち幸せなんだよ。』
『諦めなさいよ。』

そう言われているような気がした。


可愛い笑顔。

幸せそうな眼差し。

幸せな家庭が2人を包んでるんだよね。

仲の良い神谷一家が想像できる。


机に子供の写真挟んでるなんて、どんだけ溺愛してるだよ…。


…………………
………………………。

「ねぇ?いつか幹太に子供ができたら、子供の写真を会社の机とかに写真飾りたいって思う?」


隣で白い息を吐きながら歩いてる幹太に聞いてみた。

「俺?俺はねー、奥さんと子供の写真が飾りたいな。」


「ふーん。そっか…。」


「何かさ、仕事で辛い事あっても笑顔見たら頑張れそうじゃね?」


子供は先生の元気の源…?

幹太のように写真を飾りたいと思ってくれる。

先生のように子供の写真を飾ってくれる。

そんなパパは素敵だと思う。


でも先生の机を見て

『いいパパだね。』

なんて言えない。

写真なんて飾らないでって思う。




幹太の言葉を聞いて、奥さんと子供の写真が挟んであった訳じゃなく、子供だけの写真だった事に少しホッとしてた私…。



最低……。






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