ずっと片想い〜先生…あなたに〜
幹太はため息混じりに
また話しだす。


「あのな…。
たまたま居ただけって…。人の気持ちってどうにもならない時があるって事くらい俺にも解るよ。
でも、お前な、
例えば神谷が奥さんと別れて紗由を選んだら…。

その時に神谷が親権を望んだらどうすんの?
お前、母親になる覚悟あんの?」


「………………。」


「お前に、その覚悟があって、他の人を傷つけても神谷が好きなら…。
俺はこれ以上言わない。
ただな、神谷の子供の事…考えてやれよ…。

机から写真なくなってたなぁ…。」


「………………ん。」


幹太は
帰るぞっていつもの笑顔で言った。


私は俯きながら幹太の横を歩く。





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