ずっと片想い〜先生…あなたに〜
私は先生に印鑑が必要な事を話した。


『幹太の慌ててる顔!想像できるよ。
印鑑は机の右上の引き出しに入ってるから使っていいよ。スグに教官室に電話しといてやるから。』


そう言って家にまで電話した事を謝る私に笑ってくれた。


初めて先生と電話で話せた事、先生の声が私の携帯から聞こえてきた事が嬉しくて。嬉し過ぎて…。


電話を切ってルンルン気分で、書類に印鑑を押して生徒指導の渡部の所に走った。


「ギリギリセーフ!」

渡部に言われて、幹太の居るグラウンドへ……。


19時を過ぎ、辺りは真っ暗。ライトに照らされたグラウンドで一生懸命に野球に打ち込む幹太が私に気付いたから、私は幹太に向かって、頭の上で大きく両手で丸をつくってみせた。








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