ずっと片想い〜先生…あなたに〜
「あら?じゃ……さっきの先生は…?」

お母さんが思い出したように口にした


“先生”



「そうなんだ。さっき紗由から電話でおばちゃんと喧嘩したって聞いてさ。
なんか先生と電話してたの変に思われたって…。

紗由は俺と付き合ってて誤解なんだから、付き合ってる事をちゃんと話そうと思って。

あの先生さ、いい先生で俺も携帯にかけて電話したりしてたんだよね。


「そうだったの…。
紗由ってば何も言わないから。幹太くんって彼氏がいるのにね…。ごめんね?
先生にも失礼な事しちゃったわね…。」


「大丈夫!先生には俺から話しとくし、な、紗由?」

「……ん。」


「じゃ、おじちゃんにヨロシク。そろそろ帰るね。」

来たとき同様、
元気良く挨拶をして幹太は家を出た。


もちろん私も後を追って外にでる。


「幹太!何してんの?
自分が何を言ったか解ってる?」


「これでいいのッ!」


「は?あんた…。
馬鹿とは思ってたけど…。言っていい嘘とダメな嘘くらいわかるかと…」


言い終わる前に幹太が言ったんだ。


「さっきのはいい嘘!
紗由を守る為だから。
おばちゃん、これでアイツとの事を聞いてきたりしないよ。」








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