ずっと片想い〜先生…あなたに〜
『おい?サ…』


「聞いてる!
一体何な訳?いつもは人が好きだって言っても適当に流すだけなのに、こんな時だけ俺の事好きならなんて言い方しないでよ!
そりゃ、先生の事が好き!だけど幹太達も大切な友達なの。友達と遊んで何が悪いの?
先生にだって奥さんと子供がいるじゃん!私は…。」

『サユ?泣いてんのか?
ごめん…。』


「幹太は大切な友達。
私が好きなのは先生だけだよ。さっきの冗談で言ったの?」


『……………。』



「私は本気だよ…。
先生は私の気持ちに応えられないでしょ?」


『…………。』


何も言ってくれない先生。その沈黙が


“そうだよ。
お前の気持ちには応えられない”


そう言ってる気がした。


「だったらあんな事言わないで。
私、そろそろ戻るから。じゃあ…。」


何も言わない電話の向こうの先生にバイバイを言って切った。


あーぁ、私の“好き”って気持ち。

指導に使われちゃったのかぁ。


笑っちゃうよね。
誰でもいいから笑ってよ。







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