恋スル運命
顔がほてりだすのを感じた。




ヤバイ。私、きっと今、真っ赤だよ。




バチッと海偉のお父さんと目が合った。




真っ赤な顔を見られたと思うと余計に顔が熱くなっていく。




とにかく海偉から離れなくちゃ。
じゃなきゃ真っ赤な顔、海偉に見られちゃうよ〜。




「まだ絵を観てる途中なので、失礼しますっ」




海偉の体を強めにグイと押し退けて海偉のお父さんにペコリと頭を下げた。




「美緒、大輔さん、私向こうの絵観てくるね!」




美緒のひき止める声を無視してその場から離れた。




コの字型に出来た展覧会の会場の角を曲がり、ふぅと深呼吸をした。




深呼吸をして、




目の前にかかっていた絵に視線を合わせて、





動けなくなった。





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