恋スル運命
私らしさ
『……違う。もっと楽しそうに笑うんだ』





「こ、こうでいいですか?」





楽しそうに、なんて言われても、困る。





だって今、私は楽しくも何ともないんだもの。




けれどそんな文句を言えるわけもなく、ニコリと笑って見せた。





『………。今日はもうおしまいだ。帰る』





窓際にセットされた大きなキャンバスに布をかけて、部屋を出ていくカイ。





バタン。

ドアが閉まる音が聞こえて、私は体の力を抜いて大きなため息をはいた。




ずっとポージングさせられて座ってたから、体が強ばっている。




椅子から立ち上がり、大きく伸びをした。




「んー。疲れたわ」






『クスッ。お疲れ』




「!?。きゃっ。ご、ごめんなさいっ」







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