恋スル運命
「それに、服も草や土まみれ。よっぽど勢いよく落ちたのね。」




洋服の土や草を払おうと近づいたら、手でそれを制止されそして自らパンパンと、頭や体の草や土を払っていた。




『手が汚れるからいい。・・・お前も体に草が付いてるぞ』




痛いくらいの力でパンパンと叩かれ、草を払われた。




「痛いっ。もっと優しくしてよ」





『大声出して馬を驚かせた罰だ。馬の前で大きな声や音は出すな。蹴られて大ケガしても文句は言えないぞ?』




私の実家にも馬がいたもの。それくらい知ってる。




でもまさか目をあけたら馬が覗き込んでたなんて思わなかったんだもの。





「・・・気をつけるわ。でもレディの寝顔を覗き込む貴方も悪趣味よ?」




『・・・レディがこんな所で昼寝するかよ』




呆れたように言った後、フッと笑ったカイの笑顔に、心が和む。




気づけばお互い笑みを浮かべて笑いあっていた。










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