恋スル運命
食事の話を切り出された時、接待か？と思ったのは間違いではなかったという事のようだ。





私が一緒だからOKしたなんて、海偉は仕事をなめてるんじゃないかしら。





『何ボーッとしてるんだほらタクシー来たから乗れよ』





先に歩いてたと思っていた海偉が戻って来て私の腕を引く。





断る間もなく乗ったタクシー。





……どうしよう。行き先を言わなきゃダメなんだろうけど、海偉に家を知られるのは危険な気がする。





黙ってる私をよそに車はどこかへ走り始める。





海偉が先に自分の家を告げたんだ。





海偉が降りてからかその前に最寄り駅があったら降ろしてもらえばいいかな。





そう思いながら窓の外を見ていた。






『俺の職業聞いてどう感じた？』





突然話しかけられて、少しだけ顔を海偉へと向けて、また窓の外を見つめる。





「あ、そうなんだって感じだったけど？」




うん。本当にそれが素直な感想かな。




どんなにすごい人なのか聞かされても目の前にいる海偉からはそんなオーラもでていないから実感も沸かないし。





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表紙・目次

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