恋スル運命
夜の魔法
『運転手さん行き先を◯◯◯町へ変えてください。

……お前のデパート付近の駅で降ろしてやろうと思ったけど予定変更だ。

もう少し付き合ってもらうぞ』




海偉が運転手にそう告げて私にも声をかける。




「勝手に決めないでよ!私は明日も仕事なのよ?」





◯◯◯町って私の住んでる場所とは正反対じゃないの。




文句を言う私なんて知らんぷりで背もたれにもたれ掛かって目を瞑ってしまった。





これからまた飲み直すとかだったらはっ倒すわよ!





◯◯◯町へ入ると海偉はタクシーの運転手に道の指示を出した。





駅付近から離れていって、住宅街へと入っていく。





隠れ家的なお店がありそうもない雰囲気。




まさか家に連れ込もう、なんて考えてないわよね?





狭い車内で警戒心が出てきて自然と端へ端へと体が寄っていく。




『次を右に曲がった所で停まって下さい』





海偉がタクシー運転手にそう告げ、指示通り車が停まった。




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