恋スル運命
私の住むマンションのエントランスにタクシーが停まる。




『随分立派な所に住んでるな』





「…まあね。知り合いから譲り受けたものなの」




先に乗り込んだ私を降ろすために海偉も一度タクシーを降りる。




そしてマンションを見て独り暮らしには不相応なマンションだと思ったんだろう。




『…またサラの職場に行くよ仕事のついでに会いに行く』





「ついでなら来なくて結構です！」





言って自分で驚いた。
今の言い方じゃまるで私を二の次にしないでって言ってるものだ。





『じゃあサラに会いたいからまた寄らせてもらう。

この言い方なら満足か？』




ニヤリと笑う海偉にムッとして

「そんな格好でうろちょろしてたらいつか不審者扱いされるんだから」




そう言ってマンションのホール内へと駆け込んでしまった。





ああ…また失言。





あの言い方も身なりをちゃんとしたなら来て欲しいって言った様なものだ。





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表紙・目次

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