恋スル運命
『今日の夜、飯食いに行くぞ』




それは、突然だった。




サイアクな合コンで助けてもらってから3日が経った天気の良い昼下がり。



ラフなシャツに穴空きだらけのジーパン、櫛を通したくなるボサッとした髪に無精ヒゲ。

相変わらず化粧品売り場にはそぐわない出で立ちの海偉が私の前に来るなり言った。




“久しぶり”とか、“仕事中に悪い”とか、そういう言葉はないの?




呆れつつも3日ぶりに見る海偉に、少しドキドキしてる。




『俺と飯っていうことで今日の合コンは行くなよ?』



「は?合コン!?」




私、合コンなんて行く予定ないんだけど。




首を傾げる私に海偉も同じ様に首を傾げる。




『内田との合コン、今日なんだろ?』




内田さん?……って萌花が誘ってきた合コンの事?




何で海偉が合コンの事知ってるんだろう。内田さんにでも聞いたのかな?

いや、そんな事より……




「私は行くつもりなかったから、合コンが今日だなんて今初めて知ったんだけど?」




語尾をあげてわざとらしく海偉に告げてやった。





だって、悔しかったんだもん。


さも私が合コンに参加するって前提で話しかけてくる事が。


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