恋スル運命
『私は別に画廊の為に先生に接待を強要なんてしてませんっ』




わざとわからないフリをしてそれじゃあ何の為に?といった風に首を傾げて神田さんを見つめた。




利益の為じゃないなら、海偉に関心があるって事じゃん。




まあ、神田さんが海偉に好意があるって私を見てくる視線で何となく気付いていたけどね。




『わ、私はただ純粋に先生の絵がもっと世に広がるお手伝いをしたくて!

も、もちろん先生の絵のファンとしてで、それ以上の気持ちは……っ』




『麗子、何どもってる?それ以上の気持ちって?』




海偉の問いかけに、あからさまに焦って『何でもありません』って答えてる神田さん。




うわぁ、墓穴掘ってるよ。



もっと冷静に言い返してくるかと思ってたのに。



あれじゃ海偉が好きだから海偉を有名にしたいって端から見てわかっちゃうよ。




……肝心の海偉は気付いてないみたいだけどね。




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