先輩彼女

外は静かで落ち着いた

「もしかしてえらいの?」

「澤田先輩…
いえ、大丈夫ですよ
ちょっと外の空気が吸いたくて」

「その気持ちわかる
歌、上手すぎだろ?
何か習ってンの?」

習う!?

「私、習い事した事無いンで」

「そ-なんだ。
ピアノとか習ってそうなのに…」

「習って無いですよ。」

「そっか。中におやつあるけど…食べないの?」

「そんな気分ぢゃ無いンで」

「だから、そんなに細いンだよ」

「細く無いです。」

「この細さでスポーツできる事に驚き」

「先輩だって細いと思いますよ?」

「ン-…でもちゃんと筋肉ついてるよ」

何のアピールだよ

「先輩身長どれくらいですか?」

「177センチ
片山は?」

「私ですか?
163センチです」

「だったら体重50キロ近く無いとダメだぞ?」

ど-ゆう基準だよ

「はははっ」

一応笑っとく

「見た目からして43キロくらいだな
ど?正解?」

「不正解。」

私は40キロだよ

「えぇ~
いい線いってると思ったンだけどな?

よし、中入るぞ?
病み上がりなのに
風にあたり過ぎると振替す」

諦めようと思ってたのに

先輩は私に優しく接してくれる

彼女がいるンだったら
こんな優しく態度や言葉何ていらないよ…

優しさは時には凶器になると私は知った。


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