君のとなり ~星は見えない~
「……渉くんとは、最近会ってる?」
「なわけないじゃん、つか会う暇お互いないし」
「電話は?」
「するわけないじゃん、私絶対出ないもん」
「…付き合ってんだよね?」
「ああー、肩書きみたいなもんになってるけどね」
そう言った瞬間、あはっ、と美聡は嘲笑するように笑った。
「会うわけないじゃん、援交してる女と、人から金巻き上げてる男が」
「でも…付き合ってんだからさ…。
そのピアスが証じゃん」
美聡の耳から、太陽のピアスが光る。
渉くんには月のピアス
お互いかなりの量のピアスをしているが、美聡も渉くんの、そのピアスを外している姿は一度も見たことない
「これはお互い、誰かが外してくんない限り外せない。
このピアスは呪われてんの」
それはつまり、二人が暗闇から抜け出すまで無理ってこと?