君のとなり ~星は見えない~
「あーマジ詩織最高」
私はゆっくりシャツのボタンを閉める。
顔が上げらんない。
「うん…そお…」
適当な言葉を、私は投げやりで言う。
ホント、てきとー
「気持ちよかった?」
「ん…」
「俺も」
照れたように笑って、軽くキスした。
こうやってると、カップルみたい
でも、
「じゃ、俺行くから。金置いとくね」
手を振って笑って、ドアを開ける。
「…また、行くの」
「ん?いつものことじゃん」
いつものことの基準がどうかしてる
「───やめなよ、逆援も、ヤバい方に足つっこむのも」
私は健にとって、ただの援交の相手みたいなもんなんだろう。
「いつも忠告どうも」
冷たい目で、吐き捨てるように言って、出て行った。
健に私の言葉なんて1つも届かない
私の気持ちなんて、ただの迷惑
そうとしか考えられてない
健が置いた1万を見て、私の目からはまた涙が溢れた。
もう、健は私の知ってる人じゃないんだ……