ハッピー☆ハネムーン
彼女
あたし達は、ワイキキビーチを後にして、ホノルル市内をのんびりと歩いて見て回った。
アラモアナ方面へ向かうと、途中で狭い路地の間に所狭しと露店が軒を連ねていた。
ハワイの伝統的な服。
ムームーと呼ばれるワンピースや、アロハシャツの色んな種類が売られていた。
「わぁ・・・かわいい」
あたしは、青と緑があしらわれたムームーを手にした。
いいなぁ・・・こうゆうの。
自分に合わせてみると、少し長い。
うぅ・・・もう少し背、あったらな。
あたしはがっくりして、またそれを元に戻した。
「・・・慶介?」
今まで傍にいた慶介の姿がどこにも見えない事に気づいた。
どこ行ったんだろう・・・
周りには見知らぬ人ばっかり。
白人さんやら・・・アジア系の人やら・・・
ほとんどの人がサングラスをしている。
白人の人の目は太陽の陽射しに弱いから、それから守るためにサングラスをするって聞いた事あるけど・・・
ちょっと苦手。
だって、顔がわからないじゃない?
あたしは急に心細くなって、他のお店をそそくさと見て回った。
いない・・・
どこ行ったのぉ?
慣れない外国で・・・1人。
怖いよぉ~
手に持っていた鞄をキュッと抱き締めた。
その瞬間―――・・・