ハッピー☆ハネムーン
夜のホノルルの街は、昼間とは全く違う顔を見せた。
なんだか、昼間よりも人が増えた気がする。
いくら、日本人が多くても、治安がいいって言っても、深夜を過ぎると危ないらしい。
ま、日本でもそうなんだから。
それは仕方ないか。
そんな事を考えながら、あたしはキラキラ光る街並みを歩いていた。
路上で、アクセサリーを売る人。
手品をやる人。
ウクレレを弾く人。
たくさんの人がいろんな事をして観光客を楽しませていた。
あたしはその中に、一際目立つ物を見つけた。
「…なに? あれ」
その先には、銀色のオブジェ……
まるで生きているような人の形をしたオブジェだった。
見た事のない物に、あたしは恐る恐る近づいてみる。
へぇ…よく出来てるな…
本当に、人間みたい。
一体何で出来てるんだろう…と、さらに近づいて覗き込んだその瞬間―――……
え?
「きゃああぁぁぁああ!!!」
ひえぇぇええ!!
う…動いた… 今…動いたからぁあ!!!!
慌てて飛びのいた拍子にバランスを崩してしまう。
ビックリした上に…転んじゃうなんて…
最悪だ…
そんな事を考える余裕まであった。
目の前の世界がグラリと反転して…あたしの体は地面へ向かっていった。