ハッピー☆ハネムーン
あたしはそんな慶介から視線を落とすと「はあぁ」と大きな溜め息をついた。
そうなんだ…
妙に納得しちゃうから、自分が自分で嫌になる。
あたし、良く言って中の中。
背だって人並みだし、胸もないし……
幼児体型の代表って言ってもいいくらい。
でもでも!!
それならそうと、言ってくれればよかったのに…
でもでもでも…
言われたら凹む~~
「…おい……葵?」
「はッ はい!!」
驚いて顔を上げると、眉間にシワを寄せる慶介と視線がぶつかった。
「…どうせ、また変な妄想してんだろ」
うッ!!
なによ!慶介がいけないんでしょ?
「…………別にぃ」
「ふーん」と呆れたような優しい笑みを零す慶介に、あたしは口を尖らせて見せた。
だから、どうしていつもそうなの?
慶介はあたしの事を想って、ドキドキしたりする事があるのかな…
なんだか急に寂しくなってきた…
「で?何考えてた?」なんて面白そうに言う慶介の視線から逃れるように、あたしはお皿の上の料理を一気に口に放り込んだ。
きっとこれって贅沢な悩みなんだ……
もっと もっと
あたしを好きになって
あたしの事で困って
あたしの事で焦って欲しいって…
贅沢…… なのかな?