ハッピー☆ハネムーン
星屑シャワー


たくさんの人達が入り乱れて、椅子があってもほとんど立ち飲み状態だ。


バーテンダーに注文をしに行った慶介を待ちながら、あたしはソワソワして落ち着かなかった。




「お待たせ」


「ありがと……」




暫くして両手に飲み物を持った慶介が戻って来た。

慶介があたしに手渡してくれたグラス。

綺麗な青の中に黄色が絶妙な彩りを添えている。



どっかで…この色……





あたしは記憶を辿り、ハッとした。



「…もしかして…これ…?」



あたしがグラスを見つめながら言うと、慶介が笑った気がした。



「わかった? ブルーエンジェル」


「やっぱり…」



そう…これは、3年前にまだあたし達が政略結婚と言う肩書きに囚われていた頃。

…瑛太から教えてもらったものだ。



慶介にとって義理の弟になる彼と2人でいた所に慶介が突然現れて……






このカクテルの事は知らないかと思ってた…


でも……



「どうして?」と見上げると、慶介は何も言わず自分のグラスを口に運びながらあたしに視線を落とした。




「………」



うそ…


もしかして――…

もしかして…慶介………







『ああぁぁぁあああ!!!』





あたしが口を開きかけた瞬間…


店内の騒音を掻き分けて、大きな声が耳に届いた。



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