ハッピー☆ハネムーン
「あ…アツシ君は、どどうしてこの船に乗ってるの?」
…うわ。 めちゃどもってるし!!!
「昌さんも一緒なの?」
その言葉を聞いて、彼の顔から笑顔が一瞬にして悲しみの色に変わった。
「うんん、俺1人。 この旅行は俺の独断だからね。 昌に迷惑は掛けられないんだ。 …だから、俺は俺で資金稼ぎってわけ」
「資金…稼ぎ?」
「そ。 この船で期間限定のバイトしてるんだよ。昌は明日で帰るなんて言ってたけど、俺はこれで終わって欲しくないんだ。ちゃんと前を見るために、ちゃんと真実を見つけて欲しいから…」
そこまで言って、アツシ君は少し照れたように右手の薬指で眉をポリポリと掻いた。
好きなんだな……
本当に昌さんの事。
こんな自分を大事にしてくれる素敵な人に好かれてるなんて、昌さん幸せだよ。
「なんか 運命感じちゃうよね」
「…はぃ?」
「ドレスアップしてるんだ。 すごくかわいいよ。 俺は、昼間のボーイッシュな葵ちゃんの方が好きだけど…ね」
「えぇ!!?」
そう言って、にっこりと笑うアツシ君。口をあんぐりと開けたままのあたしなんかお構いなしだ。
待って? あの…好きって…
好きってさ…特別な言葉じゃなかった!?
こんな事言われたの初めてで、あたしはなんと言っていいのかわからなくて、もう目眩が起こる寸前だ。
うわぁ~ん 慶介助けて~!!