ハッピー☆ハネムーン
ベッドに入った慶介を見ると、彼はあたしを見上げほんの少し笑みを零していた。
左腕を伸ばし「おいで おいで」をしている。
ドキン……
腕枕……か。
好きだけど……腕枕はいつも寝る時にしかしない。
慶介は寝る気なんだね……
「はあ」
あたしは気づかれないように小さく溜息を漏らすと、その無駄な贅肉のない引き締まった胸に顔を埋めた。
慶介はあたしごと腕を自分の方へ引き寄せると、優しく髪を撫でてくれる。
「おやすみ」
「……おやすみ」
幸せ…
すごく安心する。
この腕にあたしは守られてるんだな……そう感じる瞬間。
―――……でも、ね?
今は歯痒いよ……
どうしよう……
これを打破するにはどうしたらいい?
どうしたら……
自然に慶介にわかってもらえるの?
あたしは、ない頭を必死に回転させる。
そのおかげで、どんどん頭は冴え渡った。
永遠に感じる時間……
あたしはなぜか息をするのも苦しくなって、1人呼吸困難に陥りそうなる。
く……苦しい……ッ
あ~~!! もうッ こうなったら、やけくそだぁ!!!
えぃッ!!!
「チュッ」
あたしの必死の想いは、小さな音を立てて弾けた。