ハッピー☆ハネムーン
半日を海岸で過ごしたあたし達は、ホノルル市内のショッピングへ繰り出した。
何だかんだで、旅行もあと2日。
2日後には、もう日本へ帰らなくちゃいけない。
いまいち慶介ともすれ違い気味だったから、絶対ラブラブ新婚旅行を過ごしてやるんだって、あたしは1人興奮気味だった。
市内遊覧バスがあって、それに乗っていればホノルル市内のショッピングモールやダイヤモンドヘッドなどを有効的に回れるってわけ。
あたし達が泊っているホテルからもバスが出ていた。
「葵、ちゃんとバスチケット持ってるよね?」
「うん。ちゃんとこのバッグに……あれ?」
慶介に言われて、自分のバッグに手を突っ込む。
……ない。
確かにここに入れていたはずなのに……
ないよぉぉお!!!
顔面蒼白。
「……失くした?」
「え!?……あのッ……ごめんなさい」
あたしの顔を心配そうに覗き込んだ慶介の視線から逃れるように、あたしは俯いた。
最悪……あんな大事なもの……失くしちゃうなんて。
「ホテルの受付で聞いてみるか。 大丈夫だから、ちょっとここで待ってろよ?」
「……はい」
しゅんとうなだれるあたしの頭をポンポンと優しく撫でると、慶介は建物の中へ消えて行ってしまった。
なんて頼りになる後ろ姿……
ってあたしってば何考えてんのぉ?
せっかくの楽しい買い物。
これで台無しだよ。
はぁ……
「……」
足元を見つめていたあたしは、少しだけ向かいの通りに違和感を感じて顔を上げた。
――――ん?
「……あ!」