Monochro world
「まぁ…。翔太…宇美の父親に会うたんですよ。昨日…。
しかも、結婚せぇへん?
…みたいな。」
ミナさんに出してもらったお茶に口をつけ、喉を潤した。
「えっと…。」
当のミナさんは目を見開いて、目をキョロキョロさせ、首に手をやったり、お茶に口をつけたり…。
明らかに挙動不審になっていた。
「いや、驚かんといてくださいって言うたやないっすか!」
私は笑って見せたけど、ミナさんはすっごい真剣な顔を見せた。
「澪ちゃんどうすんのよ?宇美ちゃんにとってはええかもしれんけど、翔太君は1回2人を裏切ってる。」
――アイツは私らを裏切った
そう思っていた。
だけど……
「アイツ、私と宇美のこと今まで1回も忘れたことないって言うたんです。」
私は両手で頭を抱え、髪をかき上げた。