Monochro world
「澪ー!待ってぇな!」
私が怒って先に店を出て歩いていたら、翔太が後から追ってきた。
「機嫌直せって!な?」
困った笑顔を私に見せる。
私も別にそんな怒ってる訳ちゃうんやけど、何かあとに引けない感じ?
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、翔太が私の前に立って、小さい袋を差し出してきた。
私は訳も分からずに袋を開けた。
「え!?…こ、これ!」
驚いて顔を上げると、翔太は視線を反らして
「お前があんなに怒るもんやから思わず買うてしもたやないか。」
そんなことをさ、言われたら許すしかないよね?
もっと、もーっと好きになるやんか。