Monochro world
「…。」
みんな目立たへんようにうつ向いて、時が流れるのを待っている…。
何か、こんなにそろってるとみんなグルみたいやな(笑)
そんな嫌な空気を取り払ったのは翔太だった。
「――て、何やねん!いきなり静かになんなや!…いつまでも決まらへんから美濃!走ってくれへん?」
「へ?ウ、ウチ?」
ビックリして顔を上げたのは“美濃佳英(ミノカエ)”ちゃん。
ちなみに同じ中学やって、元陸部。
翔太はそれを知ってたから頼んだんやろな…。
「佳英ー。やろうやぁ…!」
斜め後ろの佳英に両手を合わした。
「――まぁ、ええよ。走るだけやし。」